ソウルの原理:葛藤の場
矛盾しているがゆえに葛藤する
老化と死は地球との契約
この地上に生を得たヒトという生命体は、
最終的には必ず老化し、死を迎えます。
つまり、肉体は朽ち果て必ず地球に還る。
地球というひとつのユニットにおいて、
この地球の素材を使って
肉体と生を得た私達の宿命であり、
地球との契約でもあります。
別の言い方をすれば、
生まれた瞬間から老化と死に向かって動く、
降りることのできない
ベルトコンベヤーに載せられているのです。
しかしだからと言って
あっという間に老化して
死に至る訳ではありません。
私たちの肉体は、受精後に
とてつもない勢いで成長していきます。
そして成長しきった後にも
日々古くなった組織を破壊し、
新しい組織に修復しなおすことで
動的均衡を保っているのです。
成長と修復を司るのは生命力です。
これに対し、
老化・崩壊を司る力には名前がないので、
地球に還る(帰還する)力、
帰還力と呼ぶことにします。
この帰還力は無秩序に向かう力であり、
何人たりとも逃れることができない
「絶対的な力」です。
しかし、その絶対的な帰還力の中で
成長し再生を促す生命力は、
あまりに当たり前すぎて気付けませんが、
実は凄まじいエネルギーなのです。
成長期を過ぎると、
生命力は徐々に勢いが衰えていきます。
老化という現象は、
帰還力が肉体にあたえる影響力が
生命力のそれを上回った結果です。
相反するエネルギーの共存。
この生命力も帰還力、
両方のエネルギーを保持しているのが
「魂(ソウル)」です。
つまり、ソウルの中には
修復を司る生命力と崩壊を司る崩壊力、
二つの相反する矛盾したエネルギーが
同時に存在することになります。
これらの相反する矛盾したエネルギーは、
影響し合いながらも相殺しあう訳ではなく
老化は進みながらも傷は治るように、
それぞれ存在し別々に機能しています。
しかし、相反するエネルギーが
同時に「同じソウルの中」に存在し、
それぞれが機能していたとしたら、
生きているだけで必ず、
ソウルには葛藤が生まれます。
これがソウルの本質です。
つまり、
生きているということ自体が葛藤そのもの。
ソウルとは「葛藤の場」なのです。
ということは、生きてる限り、
葛藤が完全になくなることはありません。
夢も希望もない話のように思えますか?
「葛藤のない人生」を目指している方には
確かに絶望的な話かもしれません。
私達は気付かないうちに、
「人生から葛藤をなくそう」として
粉骨砕身の努力をしています。
ただ、その努力が実ったとしても、
一時的なものでしかありません。
もし葛藤をなくすことに囚われず、
葛藤自体があることを良しとできれば、
生きることが随分楽になるはずです。
ただ、葛藤があることを良しとすることは
「どうせ葛藤はなくならないのだから
何をしても無駄だしもう何もしなくて良い」
という意味ではありません。
葛藤を味わい、乗り越え、糧とする。
葛藤は葛藤として味わい、
その上で乗り越えて、
葛藤を糧としていく必要があるのです。